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PRESS RELEASE
2019年12月13日
株式会社ボイジャー
PDF版

出版メディアの曲がり角を言い当てた
『ベストセラーはもういらない』刊行一年を記念

電子版『アイデアの錬金術:出版と文化』無料公開

2019年12月13日(金)より


 株式会社ボイジャー(東京都渋谷区神宮前5-41-14 代表取締役 鎌田純子)は、2019年12月13日(金)より、出版500年史に関するエッセイ、『アイデアの錬金術:出版と文化』(ジョン・オークス著、秦隆司訳)を電子版として無料で公開いたします。これはオックスフォード大学出版局刊『オックスフォード・ハンドブック・オブ・パブリッシング』(23名の共著 2019年4月発行)に収録された1章をなし、ニューヨーク(NY)の出版社ORブックスを営むジョン・オークスによって著されたものです。

 
書名:アイデアの錬金術:出版と文化
著者:ジョン・オークス(翻訳:秦隆司)
内容:一度紙に宿され移されると、アイデアは権力と不屈に戦う驚くべき力を有する……20世紀のナチ党政権下ゲッペルスによる焚書、F・D・ルーズベルトの戦時図書評議会、21世紀イラク国立図書館の略奪のほか、出版人と権力者の戦いの視点からグーテンベルグ以降の出版500年の文化史を約7,500ワード(翻訳2万文字)で描く。

無料電子版お申し込み: https://store.voyager.co.jp/special/you-dont-need-bestseller-anymore/event#theAlchemyOfIdeas

 ボイジャーはORブックスを長期に取材し、中心的存在であるジョン・オークスの活動と生い立ちをまとめたノンフィクション、秦 隆司著『ベストセラーはもういらない』を2018年12月18日に刊行しました。この一年、日本の出版・メディア界は大きな曲がり角に立ちました。危機を誰もが意識し、次なる行動に出ざるをえない状況に直面しました。ジョン・オークスはいち早くこの流れを摑み、既存の流通網に依存せず、小規模出版社のフットワークとデジタルを生かし、読者への直接販売の強化に真正面から取り組みました。デジタルシフトと読者直販の実践は、出版関係者に加え、毎日新聞や日本経済新聞の注目を集めました。2019年9月、株式会社文化通信社主催ニューヨーク出版・書店事情視察ツアーでは参加者数十人が直接ORブックスを訪ねています。多くの出版社がORブックスの活動を研究していることを裏付けています。

 ジョン・オークスは出版の変革に関する論客でもあります。本エッセイ『アイデアの錬金術:出版と文化』のほか、米国オライリー社主催TOCカンファレンス参加者による論考集『マニフェスト 本の未来』(日本語版ボイジャー刊)へ寄稿しています。また米国ニュースクール大学でのセミナー「パブリッシング・インスティテュート」の主宰もつとめ、後進のジャーナリスト育成にも貢献しています。

 コミュニケーション学を専門とする植村八潮氏(専修大学教授)は、本エッセイの中心的トピックは「権力者にとって本は武器にも脅威にもなる。本の力をよく知っている者は、本によって自らの意見を広めるとともに、不都合な本を抹殺した者でもある」ことだと指摘しています。

 ボイジャーは2019年1月、本エッセイを少部数印刷し、『ベストセラーはもういらない』刊行記念のジョン・オークス、秦隆司来日講演(於 日比谷図書文化館)の際、来場者に配布しました。今回大学生を中心とした若い読者のために電子版を提供してほしいという要望に応え、2019年12月13日(金)より、電子版無料公開を開始いたします。

 

▶︎記念講演について詳しくは小社ホームページをご覧ください。
https://store.voyager.co.jp/special/you-dont-need-bestseller-anymore/event

【参考情報】

 
■ジョン・オークスについて
1961年ニューヨーク生まれ。2009年に返本ゼロを目指して事業展開する新興出版社ORブックス(OR Books)をコリン・ロビンソンと共同で創業。創業以前には、バーニー・ロセットの伝説的出版社グローブ・プレスで働いた後、フォー・ウォールズ・エイト・ウィンドウズ社(4W8W)の共同経営者として1987年から7年間働き、その後10年間アバロン・パブリッシング・グループに売却するまでディレクターとして同社の舵取りを行った。
 
 

 
 
■『ベストセラーはもういらない──ニューヨーク生まれ 返本ゼロの出版社』について
著者:秦隆司
発売日(紙版・電子版):2018年12月18日(火)
発行:ボイジャー
価格:紙版(四六判216頁)2,500円+税、電子版1,000円+税
特集ページ:https://store.voyager.co.jp/special/you-dont-need-bestseller-anymore
 
 

『マニフェスト 本の未来』に「出版再考――痛みを感じ、痛みを抑える」を執筆したジョン・オークス。その後4年間、彼を取材し一冊の本にまとめた。ORブックスという出版社を営むジョン・オークスの考え方、実行の姿が明らかにされる。副題「ニューヨーク生まれ 返本ゼロの出版社」は、彼の出版事業の方針を象徴的に語っている。出版が陥った負の遺産を現実的に乗り越えるために古い慣行を捨て、デジタル新技術を活かす伝統的な出版社のスタイルが見えている。こうした考えがどこから生まれたのか、一人の出版人の歴史を掘り下げる。